3.11

「Hope」
3.11 私たちは忘れません。
CRASH Japan

「互いにお世話になる関係」 福島県訪問レポート

支援と言う言葉は、する側とされる側とで使い分けられ、互いの立場もほとんど変わらない。今回いわき市のある仮設を訪問したが、地域と教会が互いにお世話し、またお世話されるという関係から教えられたことをしるしてみた。

「互いにお世話になる関係」

クラッシュ・ジャパン 永井敏夫

東日本大震災から間も無く五年目を迎えようとしている 3月7日の午前、いわき市にある泉玉露応急仮設を訪問した。日本同盟基督教団のいわきキリスト教会の増井先生が泉駅に迎えに来て下さった。駅から直ぐ近くの仮設の集会室には20人ほどの方々がおられた。この仮設に住んでおられるご婦人のNさんがリーダー で、他に仮設のご婦人方が接待をしておられた。グループは二つあり、カフェは月、金曜日の930から1130頃までオープンしているそうだ。この仮設の入居者は、富岡町から避難してきている方々だが、そのほとんどがこの仮設で互いに初めて出会った方々だそうだ。あるご婦人は、先月自宅に戻ってみたら、ハクビシンがいて、襖も大きな丸型にえぐられていたと話しておられた。この方は明るく話をされていたが、自分の家が荒れていく姿を見るに忍びないに違いない。

 

市内小名浜にある日本聖公会小名浜聖テモテ教会の岸本先生、いわきキリスト教会の増井先生が、北陸から来た毎日新聞記者のインタビューに応える場に同席し、支援の経緯、現状などを伺った。以下、お二人の話で大切と思う言葉を記してみたい。

 

・牽引でなくサポート:仮設の方々の自主的な活動をサポートすることが教会が担うべき役割と徹して二人は関わり続けておられる。仮設のみなさんが自立するのを助ける為に教会が動いている。教会がリードしていく姿勢でなく、自立を願い歩んでいる人々の傍らに教会がいるというスタンスだ。

 

・教会でお茶を:入居者が最も多かった頃の半数100軒ほどがこの仮設にいるという。カフェに参加している人たちの三分の一は既に家を建てたり、復興支援住宅に入ったりして仮設を出た人たちとなっている。人々がほっと一息入れる場所、話ができ、話が聞ける場所が如何に求められているかが分かる。今は集会所でなされているカフェだが、仮設が無くなったとしても、教会がこのような機会をどう提供できるのかが問われている。

 

・人と人が繋がるサポート:32万人のいわき市民と原発避難者(いわき市には2万5千人)とのつながりを願っていると、増井先生は語った。いわきに元々いる人々、そして震災後に越して来た方々が、互いに繋がる場、機会、プログラムなどを行政や有志方と地域にある教会も参与して作りあげていけたら素晴らしい。

 

・互いにお世話になる関係:前述のNさんのようなリーダーのフォロー役としても増井先生は歩んでいる。リーダーのサポート役に徹し、愚痴や不安など何でも聞く関係を、神さまは喜んでおられるに違いない。私たちがどこで生活するとしても、「お世話になっている(た)」という言葉は良く聞かれる。地域の方々に教会がお世話をする、そして教会が地域のお世話になっているという関係性は日本のどこにいても大切だ。

・地域の課題は教会の重荷に:聖公会は、地域の課題はその地域の教会の課題そのものであると受け止めているそうだ。「地域に根ざした教会」と福音派の教会は頻繁に使うが、具体的には地域でどのように教会は立っているだろうか?今回、仮設の方々が自立できる姿勢で歩んでいる二人の牧師の話を伺い、地域の人々と共に歩む教会の姿勢、地域との関わり方、教会の立ち位置について考えさせられた。

 

このレポートを再読し、思いを馳せていた時、

「明日にかける橋」の I’m sailing right behind. のフレイズが浮んできた。この歌にあるような生き方を教会がそれぞれの地域でしていけますようにと祈りたい。

3.11 ラジオ出演のお知らせ

明日、3/11(金)の10:00からオンエアされるbayfm「SKYGATE TRAVELLIN GROOVE」にクラッシュ・ジャパンの元スタッフが出演します!
「あれから5年。これまで、そしてこれから」と題し、
東日本大震災発生から現在までの様々な「震災に対する動き」について紹介される中で、海外ボランティアの視点からの東日本大震災について、電話での生インタビューがオンエアされます。
ぜひお聞きください。

ふたつの「ひとつ」区切りと地域  〜 ふくしまHOPEプロジェクトの総会に出席して

 

2月9日(火)ふくしまHOPEプロジェクトの年次総会に出席した。このプロジェクトは、東北ヘルプ、福島県キリスト教連絡会、日本イエス・キリスト教団、日本同盟基督教団、日本国際飢餓対策機構とクラッシュ・ジャパンの6者により共同運営がなされている。前にクラッシュジャパンでスタッフをしていた塩津由芙子さんが、このプロジェクトのスタッフをしている。

2015年度に開催された7回のキャンプへの、のべ参加者は178名で、場所は県内、新潟、山形、岩手の各県だったという報告があった。2012年7月開催の初めてのキャンプから数えること26回のキャンプが開催されてきた。参加した人数は600名を超え、半数強が小学生だそうだ。

代表の木田惠嗣牧師(郡山キリス福音教会)が記した2016年度活動計画案の文章には切実な思いと叫びが満ちていた。
マイクロホットスポット化と呼ばれる状況が生まれ、線量の高い地点が点在していること、モニタリングポストに特有のスパイク現象(一時的に放射線量値が高くなる現象)が県内東部に見られることが語られた。また、152名の子どもたちが、甲状腺がんまたはがんの疑いがあるという報告があった。

当初5年間ということでスタートしたふくしまHOPEプロジェクトは今年5年目を迎えた。子ども保養の必要を覚えている方々はまだまだ多く、昨年12月のキャンプには定員の倍以上の申し込みがあったと言う。ただ、県内の教会やプロジェクトスタッフたちも「ひとつの区切り」と言う時を迎えているのも事実だ。

ふくしまHOPEプロジェクトの働きは、福島県の子どもたちの将来のために、今なされている活動のひとつだ。「子どもたちのために」というこの思いが、県内のキリスト教会でこれからも共有されていくことを願う。クラッシュジャパンは、ふくしまHOPEプロジェクトの共同運営委員としてこれからも広報面で協力しつつ、祈りながら関わっていきたい。

福島県と言う「ひとつの地域」の課題と限定することは、その課題を抱えながら歩んでいるキリスト教会の疲弊にもなっていきかねない。日本のキリスト教会に神さまは何をチャレンジしておられるのだろうか?キリストの心を持ち、隣り人として生きるとはどうすることなのだろうか?

クラッシュジャパン チームリーダー
永井敏夫

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オアシスライフケア

東日本大震災から五年目に入ろうとしています。クラッシュジャパンでは、宮城県内での緊急支援活動の際に森郷キャンプ場をベースとして使用させて頂きました。国内外からのボランティアのみなさんが、宿泊し、祈り、賛美した施設です。この施設の現状が、以下のオアシスライフケアの活動レポートに記されています。続けてお祈りください。

http://oasislifecare.org/report/repo15.pdf

震災から間もなく五年です。このレポートを通して、被災地および私共の現状と今後の取り組みについてご理解いただき、引き続きのご関心・ご支援をお寄せいただけましたら幸いです。

被災地を覚え続けてくださる皆様の上に、神様からの豊かな恵みと祝福がありますように・・・。
オアシスライフケア